こんにちは、みなさん!QAエンジニアのゆかわです。

ふりかえりの場が暗い雰囲気になりがちで、改善が上手くいかなかったり、形骸化してしまったりした経験はありませんか?そんな課題を解決する手法として、kudo cardsを導入した事例をご紹介します。

うちのふりかえり、なんか暗い?

私たちのチームの従来のふりかえりでは、KPTなどの手法が用いられてきました。しかし、プロジェクトを良くしたいという想いから、「Problemの分析(なぜ上手くいかなかったのか?)ばかりに焦点が当たる。」、「なんとかTryを見つけても難易度が高くなってしまう。」という課題があり、暗い雰囲気が漂っていました。別のチーム(いつも楽しそうにしている)で実施していたkudo cardsという手法を紹介してもらい、私たちのチームでも活気のあるふりかえりを実現するために取り入れてみることにしました。

kudo cardsとは?

kudo cardsは、チームメンバー同士がお互いに感謝や称賛の気持ちを伝えるために使用するカードです。この手法は感謝カード、サンクスカードなどとも呼ばれています。

オフィスにボードや箱などを設置して、感謝を伝えたいときに記入し、共有します。リモートワーク主体のチームではドローツール(例えばMiro)を使う場合もあり、いくつかのテンプレートも用意されています。

カードには、Thanks、GreatJob、Congratulationsなど、複数のバリエーションのカードがあり、感謝や賞賛をしたい内容によって使い分けることができます。

実施方法や準備などはふりかえりカタログを参考にさせていただきました。

出典:「ふりかえりカタログ / Retrospective CatalogP.79 Kudo Cards 」より

このふりかえりカタログには、kudo cards以外にも様々な手法が紹介されているので、ふりかえりに課題を感じたら参考にさせていただいています。

ふりかえりでの活用事例

私たちのチームでは、隔週でふりかえりを行っており、その最初の約10分間でkudo cardsを行っています。その後は通常通りKPTを用いたふりかえりを行います。kudo cardsの具体的な手順は以下の通りです。

1. カードの記入

私たちはリモートワークでの業務を行っているため、物理的にカードの受け渡しをすることができません。そのため、Miroなどのドローツールを利用してカードの共有をしています。

ふりかえりの中で5分間程度時間をとり、参加者各自がカードに記入をします。行動に気づいたときに伝えられるのが一番よいのですが、日々の業務に追われている中で記載するのは大変です。そのため、ふりかえりの時間の中でしっかり時間を取ることを重視しています。

2. カードの共有

書いたカードを記入した方自身が共有します。

共有している中で他の参加者から「私もそう思う!」といった声があがることがあります。その意思表示として記載されたカードに★印をつけるようにしています。そうすることで同じ内容でも複数人が同様に感謝しているということがわかり、行動の自信につながります。

kudo cards導入後に見られた変化

kudo cards導入後、感謝を伝えられた人からは「単純に嬉しい」、「自身が行っている行動に自信が持てた」といった声があがりました。一方で、伝える人からも「場があることでしっかりと伝えることができる」というポジティブな意見を得ることができました。

導入前の課題であった、「Problemの分析(なぜ上手くいかなかったのか?)ばかりに焦点が当たる。」という点についても、kudo cardsであがってきた内容を、続けて行っているKPTのKeepとして流用することで軽減できています。ふりかえりの最初に実施することで、アイスブレイクとしての効果もあり、発言者の偏り軽減や発言の頻度増加にもつながっています。

回数をかさねていくにつれてカードの内容自体にも変化が見えてきました。最初は「いつもありがとう」といった抽象的な内容が主だったのですが、具体的な行動「この意見貰えて助かった」や成果を称賛するメッセージが増える傾向が見られました。kudo cardsの導入によりメンバーの行動に気づけるようになってきたのだと思います。

まとめ

kudo cardsは、事前準備もボードやカードを用意するだけで簡単に取り入れることができる手法です。私たちのチームでも、コミュニケーションが活性化したり、自信を持って行動ができるなどの効果を実感しています。

ふりかえりが形骸化してしまったり、活気がないと感じている方はぜひ一度試してみて下さい。感謝と称賛の気持ちを伝えることができ、チームの結束を高めることができるでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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