はじめまして、QAコンサルタントのツルリンです。
2024年6月8日(土)に実施されました、第32回 初級ソフトウェア品質技術者 資格試験に合格することができましたので、合格体験記として、JCSQEに関する情報と受験に向けた私の取り組みをご紹介します。
これから初級ソフトウェア品質技術者 資格試験を受験する方のお役に立てれば幸いです。
受験の動機
QAコンサルティングに必要となるソフトウェア品質向上に関する包括的かつ体系的な知識修得のために受験しました。コンサルティング業務遂行や担当プロジェクトの成功においては、包括的かつ体系的なソフトウェア品質向上に関する知見を確立することが重要であり、最新の方法論やベストプラクティスに精通し、問題解決や品質管理において的確なアプローチを提供できる専門家となることが求められていると感じています。今回の受験を通じた知識修得が信頼できる相談相手としての地位を築くための基盤となると信じており、より深い専門性と専門知識を身につけることで、クライアントに対する価値提供を最大化するための一歩にできると考えて、受験しました。
JCSQEとは
JCSQE(ソフトウェア品質技術者資格認定:JUSE Certified Software Quality Engineer)とは、すべてのソフトウェア技術者が品質技術を身につけ、実践していくことにより、ソフトウェア品質の向上を実現することを目的とした資格試験です。一般財団法人日本科学技術連盟(JUSE)が主催しており、初級試験は年2回(6月と11月)、中級試験は年1回(11月)、定期的に実施されています。
初級ソフトウェア品質技術者資格試験の概要
- 出題範囲:初級ソフトウェア品質技術者資格試験 シラバスVer.3.0に準拠
- ※主参考図書『ソフトウェア品質知識体系ガイド ‐SQuBOK Guide‐第3版』
- 試験時間:60分
- 問題数:40問
- 出題形式:マークシート形式
- 合格ライン:70%程度
SQuBOK Guideについて
- SQuBOK Guide(ソフトウェア品質知識体系ガイド:Software Quality Body of Knowledge)は、JCSQEの主参考図書になっています。
- SQuBOK Guideにはソフトウェアの品質マネジメントや品質技術に関連する技法から、事例、関連文献、国際規格などが網羅的に整理されていて、ソフトウェア品質に関するトピックの全体像が把握でき、知識が整理できるようになっています。
- 初級ソフトウェア品質技術者資格試験 シラバスVer.3.0の項目は、SQuBOK Guide 第3版の目次と完全一致しています。
受験申込み
- 試験料 15,400円(税込)
- 最初に、受験地域を選んで申込みを行います。その後、受験可否の連絡があり、期限までに受験料を振り込んで、初めて受験登録完了となります。
- 受験地域は、宇都宮、東京、名古屋、大阪、福岡から選択できました。
- 会場定員の都合により、申込のタイミングによっては、受験できないことがあるため、上記のような流れになっているようです。早めに申し込む必要がありそうです。
受験準備・勉強方法
参考書籍と学習リソース
JCSQEサイトの学習方法を参考に以下を使って勉強しました。
- ソフトウェア品質知識体系ガイド - SQuBOK Guide - 第3版(約330ページ)
- 初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説【第3版】
- 過去の出題内容
初級ソフトウェア品質技術者資格試験 出題解説問題の一部が解説付きで公開されています。
また、上記に加えて、試験対策アプリ(テス友)も活用しました。
勉強方法と時間配分
勉強期間は、約2カ月でした。
【2か月前】
- SQuBOK Guideを3週間くらいで一通り確認し、初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説も1週間くらいで全問を解きました。
【1か月前】
- 初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説【第3版】を4周しました。
- 過去の出題内容も記憶するレベルまで繰り返し確認しました。
- テス友で朝10問・夜10問を目標に繰り返し回答しました。
【試験直前の1週間前~直前】
- ラストスパートとして、問題集とテス友を中心に最終確認を行い、間違った問題、自信のない問題のポイント、解説などをA6サイズの手のひら大ノートに復習のために整理したり、メモしました。
【受験当日】
- A6サイズの手のひら大ノートを試験会場に持参し、間違った問題を中心に試験開始直前まで確認しました。
気を付ける点
- 専門用語の定義がJCSQEと他の資格とで微妙に異なる部分がありますので、JCSQEの定義を正確に把握する必要があると感じました。
- レビュー技法は、公式なものからカジュアルなものまで、多くの種類があり、試験では、目的、参加者、実施方法などの違いをかなり細かいレベルで問われますので、表形式でまとめるなど、整理しておく方が良いと思います。
- 試験は、SQuBOK Guideからの出題になりますが、SQuBOK Guideは300ページ以上あり、網羅的な記載で、重要ポイントも特に明示されていませんので、暗記するのは厳しいです。私は、問題集やテス友を繰り返して、既出問題を確実に得点できるように心掛けました。
受験当日の流れ・受験後の感想
試験会場、流れ、注意事項
- 試験は、大阪会場で受験しました。受験者は約50名でした。
- 試験会場には、試験開始40分前(9時50分)から入室可能でした。
- 開始10分前から試験終了までは退室できず、退室すると失格となります。
- 試験問題は持ち帰ることはできません。
- 試験終了後、配布された受験票控えに印刷されたQRコードからアンケートに回答します。(所属企業に関する情報や合格した場合、氏名掲載を希望するかなど)
実際の試験での難易度と感想
- 試験時間60分で、40問を回答する形になります。時間は十分にありました。
- SQuBOK Guideから満遍なく出題されているように感じました。半分程度は問題集、過去の出題内容、テス友で解いた記憶のある問題であったように思います。
- 40問中、30問は自信あり、残り10問は確信がなく、再確認を行いましたが、8割以上は正解できたという感触で、それほど難しくはないと感じました。
合格発表・結果の確認方法
- 試験日: 6/8(土)10:30~11:30
- 合格発表:8/1(木)午前
- 受験地域別に合格者受験番号がWebサイトに掲載されます。
- 氏名掲載希望者は、氏名が掲載されます。
- 第32回結果:260名中、139名合格(合格率53.5%)
- 結果通知:8/5(月)午前(電子メール)
- 認定証到着:8/8(木)
- 試験結果のお知らせと資格認定証が送付されてきました。
- 試験結果のお知らせには、採点結果が記載されていました。90点でした。
まとめ
今回の私の受験の取り組みをまとめると以下のようになります。
- SQuBOK Guideで、ソフトウェア品質の全体像を把握する。
- 問題集、テス友を繰り返して、記憶として定着させる。
- 間違った問題は、ノートに書き出して、同じ間違いをしないように復習を行う。
また、余裕があれば、再度、SQuBOK Guideを確認することで、試験問題とSQuBOK Guideの内容がつながって、更に理解が促進されると思います。
今回の初級ソフトウェア品質技術者 資格取得を通じて、SQuBOK Guideを何度も確認することで、ソフトウェア品質の全体像を体系的に把握できたことが一番の成果であったと感じました。
是非、機会があれば、中級ソフトウェア品質技術者資格試験にもチャレンジしてみたいと思います。