【第1回】充実したQAエンジニアとしてスタートするためのガイドライン

あなたはQAエンジニアとして、どのようにキャリアを積んでいけばよいか、迷ったことはありませんか?

私はたくさんあります。

組織やプロジェクトによって、QAエンジニアの役割や責務は大きく異なります。しかし、どんな環境でも共通して押さえておくべきポイントが存在します。

『目的』『ハードスキル』『ソフトスキル』『継続的な学習』『マインドセット』『仲間』です。

『目的』『ハードスキル』『ソフトスキル』『継続的な学習』『マインドセット』 『仲間』

この連載では、ソフトウェア開発のQAエンジニアとして働き始めた皆様に向けて、私の実体験をもとに「こんなことを知っておけばよかった」という、ちょっとした気づきを共有します。
一緒にソフトウェア開発のQAエンジニアとしての充実したエンジニアライフを築くためのヒントを探っていきましょう。

連載の第一回となる本記事では、それらのポイントについて概要を紹介したいと思います。

これらのポイントは、続く第2回以降の記事で深堀りしていきます。

<QAエンジニアのスタートガイド 記事一覧>※クリックで開きます

なお、本連載では今後”QA”と表現していますが、これは単にソフトウェア開発におけるQAを指します。

顧客のことを考えて仕事をしよう

仕事の『目的』は、単にタスクをこなすことや数字を上げることではありません。最も重要なことは「顧客に価値を届けること」だと私は考えています。

つまり、「あなたの仕事を待っているお客様がいる」ということです。

こういった視点はQAエンジニアにとっても非常に大切です。

あなたがテストや品質保証の活動で携わっている製品やサービスは、必ず誰かにとって価値があります。

その価値を守り、きちんと届けることがQAエンジニアとしてのあなたの役割です。

これらの考えは、TQCにおける「顧客志向」という原則にも通じる部分があり、QAエンジニアとしても参考にしていただけると思います。

本テーマは連載の第2回で取り上げます。

QAエンジニアの必須スキル:ソフトウェアテスト

一言でQAエンジニアと言っても、多種多様な役割やあり方が存在します。

とはいえ、その中でもソフトウェアテストは基本的なスキルだと言っていいのではないでしょうか。

テストという活動は、高品質の製品を、自信を持って世の中に送り出すために必要不可欠な活動の一つです。

QAエンジニアとして重要な『ハードスキル』として、ソフトウェアテストについて知り・理解し・考えていくことが、あなたのQAエンジニアとしての活動を充実させる道標になると思っています。

本テーマは連載の第3回、第4回で取り上げます。

チームで働いているということ

QAエンジニアとして、一人で働いていることはほとんどないのではないでしょうか。

QAエンジニアが専任のロールとして置かれている現場では、まず誰かが何かを作らないと品質保証の活動ができない場合がほとんどだと思います。

QAエンジニアに課せられた責務を一人で完結させられる人は稀です。実際にQAエンジニアは様々なステークホルダーと協力して、効率的に、そして効果的に仕事を進める必要があります。

『ソフトスキル』として、チームプレイヤーとしての心構えや、効果的で誠実なコミュニケーションの取り方についてきちんとキャッチアップして、チームの中で貢献することが必要となります。

QAエンジニアにとってチームで働くということは、個々の役割を理解し、他のメンバーとの協力を通じてチーム全体でより良い製品を顧客に提供することを目指すことです。

本テーマは連載の第5回で取り上げます。

スキルアップするためのスキルをつける

一般的に、IT業界では技術や知識体系のアップデートが早いと言われています。これは事実です。

QAエンジニアも同様に、この先生き残るためには学習を継続して、自分を成長させることが必要不可欠になります。

これはスキルアップすること自体をスキルとして捉えて、身につけることと同じです。

『継続的な学習』をするために必要な習慣や心構えを知り、自走できるQAエンジニアとなることが成長への道を開くと考えます。

また、学習をするために様々なプラットフォームを利用したり、イベントに参加することもいい手段だと思います。

本テーマは連載の第6回で取り上げます。

目の前の現場を改善するマインドセット

スキルや知識だけでQAエンジニア生活を充実させるのは難しいでしょう。

学んだ知識やスキルを実践し、現場の働き方を改善できてこその良いQAエンジニアではないかと私は考えます。

QAエンジニアは仕事の性質上、様々な問題や課題に出会うことになります。

これらの問題や課題について、決して他責にして終わってしまうのではなく、自分から改善のきっかけを作っていけるような動きが求められます。

そのためには、柔軟な思考や前向きな考えといった『マインドセット』を身につけることが必要になります。

これらはエンジニアとしてだけではなく、どんな職種においても力を発揮できるマインドセットです。

本テーマは連載の第7回で取り上げます。

あなたは一人でない

ここまでのポイントをしっかりキャッチアップして頑張っていても、実際の職場では孤独に感じることはあると思います。

「改善したいのは私だけでは?」「努力しているのは自分だけでは?」と感じてしまう日もあります。

もしそう感じているのならば、そう感じているのはあなただけではないと、私は断言できます。

社内に仲間がいないと思ったら、思い切って社外に飛び出して『仲間』を探してみましょう。

QAというニッチな領域にも様々なイベントやコミュニティが存在します。

また、QAだけではなく、様々なエンジニアコミュニティや他業種のコミュニティに参加するのもいいと思います。

本テーマは連載の第8回で取り上げます。

一番大切なのは自分自身

これらの内容は今後の連載のアウトラインとなりますので、今後読んでみたいと思ってくださった方はぜひSqriptsへの会員登録をお願いします。
記事執筆時点(2024/11/27)では無料で会員登録が可能です。

本記事ではもう一つだけ、紹介したいことがあります。

社会人として一番大切なことはなんでしょうか?

ビジネスマナーやマインドセットやスキル、もしかしたら人脈と思う方もいらっしゃると思います。

私は全部違うと思います。

一番大切なことは『体調管理』です。

体調を崩してはどんな仕事も充実しませんし、自分自身がいい状態でいることはよりよい人生を歩むために大切なことです。

どんなに優れたスキルや知識があっても、体調管理ができなければ充実したQAエンジニアライフは続きません。

心身の健康を維持して、QAエンジニアとしての道を力強く進んでいくために、まず自分自身を大切にしてください。

自分自身の健康のために、以下の書籍から学ぶことをおすすめします。
今後の連載では、それぞれの記事で同様の形で私からおすすめの書籍を紹介していきます。

それでは皆さん、健康を大切にしながら、充実したQAエンジニアライフを楽しんでください!

【連載】QAエンジニアのスタートガイド 記事一覧

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SQRIPTER

山下 友輔(やました ゆうすけ)

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ソフトウェアテストに専門性を持つ、大阪在住のバキバキQAエンジニア。なによりDirty Testerでもある。
2018年に第三者検証会社に第二新卒として入社後、派遣テスターとして業務をこなしつつTPIというテストプロセス改善技術について学ぶ。
現在はWeb系SaaS企業のQAエンジニアとして、パーフェクトQAパーフェクトスタイルを模索している。

JSTQB TA/TM/TAE

プロフィール画像は妻が描いてくれた。

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