この連載では、1人目QAとしてのチームの立ち上げや組織づくりに関して、私が実践したことや試行錯誤中のことも含めてお伝えします。
前回の記事では、QA組織立ち上げのための2人目以降のQAエンジニア採用にあたって考えることについて解説しました。
今回は、QAエンジニアの採用が進んだ先でチームとして成果を出すための、チームビルディングについてご紹介します。
QAエンジニアに限らずどのロールにおいても、ただ採用を行ってメンバーを増やせばよいわけではありません。メンバーがその能力を発揮し、成果を出すための仕組みや関係構築が必要です。私も現在所属している部署では、QAエンジニアを採用しチームを構築している最中です。採用やチーム構築にあたっては、過去に所属していた企業でのノウハウを用いて取り組んでいます。本記事では、チームビルディングに関する一般的なポイントから、とくにQAチームにおいて重要な点についてご紹介します。
そもそもチームビルディングとは
QAチームの話に入る前に、まずは一般的なチームビルディングについて見ていきましょう。
チームビルディングはチーム(組織)をビルド(構築)することですが、前述の通り単純に人を集めるだけではいけません。『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』によると、チームビルディングとは「チームを機能させるための働きかけ」である、とされています。
チーム(組織)は、グループ(集団)とは違います。チームがチームであるためには
- 共通目的
- 貢献意欲
- コミュニケーション
が必要です。チームビルディングではこれらの要素をそろえて、個人の集まりであるグループから、共通の目的に向かうチーム(組織)へと進めていくことになります。成果を出せるチームに育てていくこと、と捉えても良いかもしれません。
チームビルディングの基本ステップ
同書では、チームビルディングの基本ステップ、という考え方が紹介されています。
チームビルディングの要素としてよく雑談などが取り上げられます。これらは①会話に該当し、チーム内の関係性を築く、土台としての役割です。チームビルディングにはその先があり、対話や議論を通じて意味の探求・行動の変革につなげ、そしてふりかえり(省察)をしてチームづくりにフィードバックと続きます。
QAチームでのチームビルディング
ここまでは、一般的なチームビルディングの定義や意味について説明しました。ここからは、QAチームの立ち上げフェーズを、タックマンモデルで考えてみましょう。
タックマンモデル
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