
こんにちは、QAコンサルタントのヤマダです。
私はこのたび、JSTQB® Advanced Level テストマネージャ試験に合格しました。
本記事では、試験合格のために活用した書籍「科学的根拠に基づく最高の勉強法」の内容を解説するとともに、JSTQB試験の概要、そして実践した勉強法を共有します。
書籍の紹介:「科学的根拠に基づく最高の勉強法」
この書籍は、医師であり学習法の専門家である著者が、最新の研究論文やデータを基に、科学的に効果が証明された学習法を紹介したものです。特に、次のようなポイントが大きな特徴です。
効果が低い学習法
日常的に行われがちな以下の方法は、実は非効率とされています:
- 繰り返し読む:一見効果的に思えるが、記憶の定着にはほとんど寄与しない。
- ノートに書き写す:時間がかかる割に、記憶や理解が深まらない。
- ハイライトや下線を引く:重要箇所をマークする行為そのものに学習効果はない。
効果が高い学習法
1. アクティブリコール(能動的記憶再生)
学習した知識を記憶から引き出すことで、記憶が強化されます。たとえば問題を解く、クイズ形式で学ぶといった方法が該当します。
2. 分散学習
短時間で詰め込むのではなく、間隔を空けて繰り返し復習することで、記憶の定着率が向上します。たとえば、1日おきに復習する、週ごとに学び直すといった方法です。
3. 精緻的質問と自己説明
- 精緻的質問:学んだ内容に対して「なぜそうなるのか」と問いかけ、深掘りして理解を深めます。
- 自己説明:学習した内容を自分の言葉で説明することで、曖昧な理解を防ぎます。
これらの方法を組み合わせることで、学習効率を大幅に向上させることができます。
JSTQB®の試験とテストマネージャモジュールの紹介
JSTQB®の概要
JSTQB®(Japan Software Testing Qualifications Board)は、ソフトウェアテストの知識と技能を体系的に学び、その理解度を証明する資格試験を提供する団体です。ISTQB®(International Software Testing Qualifications Board)の国際基準に基づいており、ソフトウェアテストの標準資格として広く認知されています。
試験の構成
JSTQB®試験には以下の3つのレベルがあります。
1. Foundation Level
- 初心者向け。テストの基本概念、設計技法、テスト管理の基礎が試験範囲に含まれます。
2. Advanced Level
- 経験者向け。3つのモジュールに分かれています。
- テストマネージャ:テスト計画やプロジェクト管理に特化。
- テストアナリスト:要件分析やテスト設計技法に焦点。
- テクニカルテストアナリスト:テストツールや自動化の活用。
3. Expert Level
- ソフトウェアテストの最上級資格。リーダーシップやプロセス改善に関する知識を問われます。
Advanced Level テストマネージャの試験内容
テストマネージャは、テストプロジェクトを計画・実行・管理するスキルを証明するためのモジュールです。以下が主な試験範囲です。
- テストプロセス:テスト戦略の作成、計画、モニタリング、評価。
- リスクベーステスト:リスクを特定し、優先順位を付けてテスト計画を策定。
- テストチームの管理:チームビルディングやステークホルダーとのコミュニケーション。
- 品質保証:メトリクス分析やプロセス改善の実施。
- ツールと自動化:適切なツールの選定と導入。
実践した勉強法
以下の3ステップを繰り返しながら学習を進めました。このプロセス全体に書籍で紹介されている学習法を取り入れています。
1. シラバスを読む
方法とポイント
- 流し読みからスタート:まずはシラバス全体を流し読みし、試験範囲を大まかに把握。
- 不明点をメモ:分からない箇所や重要そうな部分をメモに記録し、後のプロセスで補強。
- 関連情報を調査:シラバスに記載された内容について理解が曖昧な部分は、ChatGPTやWeb検索で調査。
活用した勉強法
- 分散学習:シラバスを一度に全部読むのではなく、複数回に分けて学習しました。1日目に全体を流し読み、2日目以降に重点的な箇所を再度読むことで記憶を強化しました。
- 精緻的質問:各セクションで「なぜこの方法が重要なのか」「どうしてこれが推奨されるのか」を自分に問いかけながら学習しました。
2. 問題を解く
方法とポイント
- 問題演習の徹底:非認定問題集を使いながら繰り返し問題を解き、シラバスの内容を応用する練習を行いました。
- 間違いの記録:間違えた問題について、問題番号、対応するシラバスの箇所と間違えた原因をメモ。
- ChatGPTを活用:シラバスと問題集をChatGPTにインプットし、問題集に含まれていない新しい問題を生成してもらうことで、幅広い演習を実施しました。
活用した勉強法
- アクティブリコール:問題を解くことで、学習した知識を記憶から引き出し、記憶を強化しました。
- 自己説明:解いた問題について「なぜこの答えが正解なのか」「他の選択肢が不正解の理由」を自分に説明しました。これにより、選択肢の背景や理論を深く理解できました。
3. 振り返り
方法とポイント
振り返りは学習の各ステップで必ず行い、学習効率を高めました。振り返りでは、これまでに取ったメモを活用して原因分析を行います。
- メモの活用:シラバスを読んだ際に書き留めた不明点や、問題を解いた際に記録した間違えた箇所やその理由を参照。
- 原因分析:「知識不足」「問題文の読み違い」「思い込み」などに分類し、それぞれの対策を実施。
- 弱点補強:特に苦手な分野については、再度シラバスを読み直したり、問題を解き直したりして克服を図りました。
- 進捗の可視化:日々記録を取っているため、これまで間違えていた問題が出来るようになっていることが分かり、自分の成長を確認しました。
活用した勉強法
- 分散学習:振り返りを何度も行い、時間を空けて同じ内容を復習することで、知識の定着を強化しました。新しい知識よりも復習を重視しました。
- 精緻的質問:「なぜ間違えたのか」「どのように考えれば正解にたどり着けたのか」を繰り返し問いかけ、理解を深めました。
スキマ時間を活用した学習
スキマ時間を積極的に活用することも、分散学習の効果を得るための重要な手段です。以下のように、短時間の学習を複数回に分けて行いました。
- 通勤時間:シラバスの読み込みや、理解が曖昧な箇所の復習。
- 昼休み:問題集を1問でも解く。
- 夜の15分:振り返りや弱点補強。
まとめ
「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を取り入れることで、学習効率を向上させることができたと思います。この方法は、資格試験だけでなく、日常の学びやスキルアップにも応用可能です。これから受験を目指す方は、科学的なアプローチを試してみてはいかがでしょうか?