みなさん、こんにちは! QAエンジニアのゆーすけです。
連載形式でJSTQB FLの解説をしており、第6回連載ではテスト技法の途中まで書かせていただきました。
今回テスト技法の続き、、と見せかけて、2023年4月にISTQB FLシラバスのメジャーバージョンが4.0にあがったので、こちらについてちょっと触れていきたいと思います。
ISTQB CTFL Syllabus v4.0
Certified Tester Foundation Level (CTFL) v4.0 [NEW!]
こちらはまだJSTQBによる日本語訳は出ていないので、現在はISTQBの英語版のみの提供となります。
Version2018時のリリース時系列を見る限りは、ISTQB→JSTQBリリースまで半年程度になっていますので、2023年の下期にはJSTQBからリリースされるのではないかと思います。
そしてJSTQB FL資格への適用は21年2月(当時はPBT)からとなっていますので、現在行っているFL CBT試験の内容の3.1→4.0適用は1年近く先のことになるかもしれません。
とはいえ、学習してほしい内容の指針が変更→ベースとして求められる知識幅の変更になっているので、直近でFL資格取得を考えている人、既にFLを取得している人含め、全てのISTQB/JSTQB学習者は是非把握しておくべき内容だとは思います。
以下、有識者の見解および機械翻訳をベースで大きな変更点について触れていきたいと思います。
Testing Throughout the Software Development Lifecycle
2.1に
・Testing as a Driver for Software Development
・DevOps
・shift-left
・Retrospectives
などの項目が追加されています。
DevOps、シフトレフト、レトロスペクティブなどはすっかり耳なじみとなったワードですよね。
Testing as a Driver for Software Developmentはテストのことを考えた開発体制であり、シラバスでは
・TDD(テスト駆動開発)
・ATDD(受け入れテスト駆動開発)
・BDD(ビヘイビア駆動開発)
が挙げられており、こちらもよく聞くワードになっていると思います。
ATDDはTest Analysis and Design(テスト技法)の項目にも取り上げられていますので、理解し活用できるようにしておきましょう。
Static Testing
静的テストの項目は、一部レビュー観点のものが削除されたようです。
Test Analysis and Design
まずは、ユースケーステストの項目が削除されました!
つい最近、
JSTQB学習のススメ #6 〜Foundation〜 | Sqripts
こちらでユースケーステストのことを書いたばかりなので、残念という思いもありますが、FLでユースケーステストの内容をこの粒度で記載するのもどうなんだろう、という思いもあったので、納得と言えば納得だったりします。
あとは、中項目として「Collaboration-based Test Approaches」が追加されており、内容としては、
・Collaborative User Story Writing
・Acceptance Criteria.
・Acceptance Test-driven Development (ATDD).
の3章構成となっています。
・Collaborative User Story Writing
日本語で馴染みの言葉にすると「ユーザーストーリーマッピング」になるのかな、と思います。
これに関しては直近(5/26)開催されたJaSST東北で、ユーザーストーリーマッピングに関する基調講演が行われており、そちらに関する参加記事が載る(載っている?)予定ですので、そちらを見ていただければと思います。
Acceptance Criteriaは「受け入れ基準」という日本語訳になり、ATDDはそのままの用語で日本でも使われていると思いますが、日本語訳だと「受け入れテスト駆動開発」になります。
TDD、レトロスペクティブなど含め、全体的にアジャイルの要素が入っているのがCTFL 4.0のイメージですね。
Managing the Test Activities
テスト技法からユースケーステストが削除されたように、FLのテストマネジメントからは
「テスト戦略とテストアプローチ」が削除になったようです。
またテストマネジメントの項目も他同様、アジャイルや自動化の概念から
・Test Pyramid(テストピラミッド)
・Testing Quadrants(テストの四象限)
の項目が追加されています。
Test Tools
FLのレベルの適切ではない項目が何点か削除されているようです。
おそらくテスト自動化含め、AL側に移行されるものかと考えられます。
まとめ
全ての変更点を網羅しているわけではないですが、ざっと気になったところをまとめるとこのようなかたちになると思います。
気になる方は原文を訳しながら読んでみることをおススメします。
また、シフトレフト、CD/CI、TDDなどは、AGESTでは「QA for Development」
というソリューション提案をしておりますので、気になった方はこちらも確認いただけると幸いです。
「QA for Development」ソリューション – 株式会社AGEST(アジェスト)
では、次回こそはFLシラバスのテスト技法の続きを載せたいと思います。
JSTQBのFLシラバス4.0がリリースされる前には、3.1ベースのものは全て書ききりたい、と思っていますので、引き続きお付き合いいただければと思います!