「テスト自動化の習慣を最速で定着させるためには」と題しているこの連載ですが、今回で最終回となります。第1回ではテスト自動化を失敗させないための「毎日テストを回す」習慣を中心に、自動化を始める際のステップについてお伝えしました。そして第2回では運用可能な自動テストを作成するにあたって非常に重要な「独立性」の考え方と具体的な実装方法をご説明しました。
今回は、第2回の続きとして自動テストの作成・運用をより効率的に進めるための工夫をご紹介します。今度のキーワードは「共通化」です。日々コーディングをしている開発者の皆様にとっては重複する処理の共通化はごく当然のことですが、ノーコードツールを使ってテストを自動化するときにも同じ考え方が有効です。以下、共通化にまつわる3つの工夫をご説明します。前回まで同様、テストケースの具体例にはノーコードテストサービスのMagicPod(https://magicpod.com)を使用していますが、紹介している概念自体は特にサービス独自のものではありません。
◆連載|テスト自動化の習慣を最速で定着させるためには 第1回:E2Eテストの自動化を最速で成功させる秘訣 第2回:毎日の自動テストを無理なく続けるためのキーワード 第3回:共通処理を活用してさらに効率的に自動化を進めよう
工夫1:データ駆動テスト
第1回でも触れましたが、自動テストを運用する際にむやみにテストケースを増やさないことは重要です。とはいえ、せっかく仕組みがあるのですから色々なパターンのテストを導入したいと思うのも自然なことですね。そこで、おすすめなのは少ないテストケースで大きなメリットを得られる「データ駆動テスト」の利用です。
データ駆動テストとは、テストの「手順」と「データ」を分離することで効率的にテストケースを実装する手法のことです。テストケースの中にはいくつかの変数を含めておき、その変数に入れる値(データ)を表のような形式で指定します。すると、指定したデータのパターンの数だけテストを繰り返し実行することができます。この方法を使えば、データ部分の定義を増やすだけで様々な条件のテストができますので手間のかかるテストケース部分の実装コストは非常に少なくて済みます。
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