【第2回】求職者側の課題1:求められているQA像を把握する

QAエンジニアの採用・選考 どう採るどう通る?連載の第2回です。

第1回では、QA・テストエンジニア採用市場において私が見聞きしてきたミスマッチ等について、そして本連載の全体的な内容についてご説明しました。

今回からは2回に分けて、とくに求職者側が気をつけるべき点について書いていきます。

本記事のタイトルにもあるように、求職者の立場からはまず「どのようなQAエンジニアが求められているのか」を把握する必要があります。私自身、事業会社でQA組織を立ち上げるために募集をかけて、応募してくださった方の書類選考や面接などを行っていました。また他社でQAエンジニアを募集している方から募集文面のアドバイスを求められる機会などもあり、世の中の開発組織がどのようなQAエンジニアを欲しているのか、の感覚を持っているつもりです。本記事ではこのあたりを中心にご説明します。

求められているQA像を把握する、とは

QAエンジニアに限らず、採用ではお互いをよく知ることが大切です。「そんなのは当たり前だよ」と思うかもしれません。しかし実際に書類選考などを行っていると、その当たり前が意外とそうではないことに気が付きます。

募集側から見たときに「募集要項ちゃんと見てくれたのかな?」「これってウチじゃないよね」と感じる書類が届くことも少なくありません。
もちろんこれには色々な事情があると思うのですが、求職者側にとっても募集側にとってもメリットがあまりありません。

ミスマッチを避けて、自分が興味を持っている企業から、自分を正しく理解してもらう。そして、選考を先に進めてもらう。そのために求職者側ができるのは、相手が求めているQA像をできるだけ正しく把握することです。

まずは企業がQAを募集している背景について知ろう

企業が出している採用ページや各種媒体の説明文には、募集の背景・求める人材像・必須要件などが書かれています。まず、募集の背景=なぜQAエンジニアを採用しようとしているのか、を押さえることが必須です。

「開発を続けてきてサービスが軌道に乗って、いよいよ一人目のQAを採用して品質にも力を入れていきたいんです」という場合もあります。また「QA組織はあるけれど、ビジネスがどんどん拡大していて開発チームやプロダクトの数に対してQAの数が追いついていないんです」というケースもあるでしょう。

企業側が抱える課題や実現したいことがあって、そのためにQAの力が必要となっている。だからQAエンジニアを採用したい。このように考えているわけです。なので、求職者側は募集背景として課題や実現したいことを把握したうえで、「私であればそれに貢献できますよ」とアピールする必要があります。

職務経歴書と面接で提示したいロジック


上の図は、求職者側が職務経歴書や面接で伝えるべきポイントについて構造化したものです。
先に述べた内容は図中の一番上、募集要項やカジュアル面談を通じて、課題ややりたいことを把握しましょうという部分です。

この図は次回に説明する「採用したいと思わせるには」という内容にも関連します。

背景をもとに、求められているQA像を把握する

募集の背景がわかったら、続いて募集側がどのようなQAエンジニアを求めているのかを把握しましょう。といっても、背景と求められているQA像というのはバラバラなものではなく、当然セットです。

先に挙げた例のうち、「開発を続けてきてサービスが軌道に乗って、いよいよ一人目のQAを採用して品質にも力を入れていきたいんです」パターンについて考えてみましょう。
一人目のQAの採用ということで、例えば以下のようなQA像を求めていると考えられます。

  • QA組織を立ち上げた経験がある
  • 採用、評価、マネジメントができる
  • QA組織のミッションや、開発組織の品質目標を定められる
  • 社外向けの発信を通じてプレゼンスを向上させられる
  • 開発者等に対して品質・テストに関する知識や技術移転を行える

すべて挙げるとキリがないのでこのくらいにしておきますが、求める人材像として想像できる条件はいくつもあります。

これらの中には、募集要件の中に明示的に書かれていることもあれば、書かれていない場合もあります。書かれていない場合、条件が厳しすぎると応募が来ないので意図的に外すという選択をしているかもしれませんし、QA業務に対する解像度がまだそれほど高くないがゆえに思いついていないのかもしれません。

いずれの場合も、まずは募集要項に書かれている内容から求めるQA像を読みとること。それに加えて、書かれていないけれども募集背景から考えるとこういった要素も必要そう、という事項についても書き出せるとよいでしょう。それをカジュアル面談等で事前に確認しておくと、意図的に除いているのか思いついていなかったのかがわかりますし、場合によっては「『このひとはデキる!』」と思ってもらえるかもしれません。

世の中の会社がQAに求める要素

募集の背景や求めるQA像を把握するやり方について、イメージを持っていただけたと思います。
ここからは、実際に世の中の各社がどのようなQAを求めているのか、その全体感についてお話していきます。

同じQAを募集しているといっても、各社ビジネスの内容や規模など状況が異なるので、求めるQAには当然違いがあります。

とはいえ、とくに最近多いWebサービス関連の事業会社でQAを探していますというケースでは、求めるQA像には共通する内容があると考えています。

代表的な要素は”自走できる人”

募集要項などで頻繁に目にするのは”自走できる人”という条件ではないでしょうか。自律的に動ける人、主体的に動ける人、などもよく見かけます。よく見かけるものの、抽象的な表現ですよね。この”自走できる人”というキーワードを深堀りすることが、内定につながるひとつのポイントだと私は考えています。

QAを募集する側の考えている”自走できる”とは、具体的にはどのような要素を指しているのでしょうか。

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SQRIPTER

伊藤 由貴(いとう よしき)

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テスト自動化エヴァンジェリストとして、エンジニア育成・テスト自動化コンサルテーション・部署の立ち上げ・マネジメントなどを経験。
現在は複数Webサービスを運営する会社の横断部門にて、QAエンジニアとして活動中。

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