みなさん、こんにちは。はまです。
認定スクラムマスター(CSM)の研修をご存知でしょうか。「知っとるで!けどスクラムやったことあらへんからな…」とか「ある程度経験ないとハードル高いんやろ?…」といった印象をお持ちの方が多少はおられるかもしれません。逆に「認定スクラムマスターって何なん?そんなん知らんわ!」という方もおられると思います。私自身認定スクラムマスターの研修を受講する前は、「ある程度の経験や知識がないと研修内容についていくのが難しい」という印象を持っていました。しかし、先日研修を受講してみたところ、受講前の印象とは全く異なり、経験がない人でも非常に楽しめる【是非受けて欲しい!】と思える充実した研修であることが分かりました。当ブログでは、私の受講体験を交えながら研修の申込、研修内容、試験などをお話したいと思います。スクラム未経験の方はもちろん、研修に興味がある・受けてみたいと思っている方に対し、少しでも後押しや参考になればと思います。

認定スクラムマスター(CSM)とは

認定スクラムマスター(Certified ScrumMaster®)は、Scrum Alliance®が提供する認定資格です。
この認定は、スクラムのフレームワーク、チームメンバーの活動や役割などを深く理解するのに役立ちます。資格を得るためには、認定スクラムトレーナーによる2日間の研修(対面またはオンライン)を受けます。研修後、別途オンラインで試験を受け、合格する必要があります。

研修受講前のエピソード

余談となりますが、少し私が認定スクラムマスター研修を受けるまでのお話をします。以前に社内にて、スクラム開発の社内プロジェクトがありました。スクラム未経験の私でしたが、スキル向上と経験を積むことを目的に、コーチングして頂きながらスクラムマスターを担当することになりました。スクラムの経験は勉強になりましたし、何より大変楽しかったです。これがスクラムとの出会いとなります。
スクラム開発プロジェクトから月日が経ち、とある日上司から認定スクラムマスター研修を受けてみないかと声をかけて頂きました。研修が難しいという印象を持っていて、私の今までの経験ではまだハードルが高いと思っていたので、話を貰った時には驚きました。プレッシャーや戸惑いがありましたが、受けてみたい気持ちがありましたので研修を受けることになりました。

認定スクラムマスター研修から資格取得までの流れ

認定スクラムマスター研修の申込から資格取得までの流れをエピソードを交えながらお話します。

1.認定スクラムマスター研修申込

認定スクラムマスターの研修は、今回こちらのリンクCSM 認定スクラムマスター | アジャイル ビジネス インスティテュート株式会社の開催スケジュールから予約をしました。冒頭でもお話しましたが、研修は2日間となります。土日も対応されているようですが、平日の2日間でエントリーしました。

2.認定スクラムマスター研修前日

研修前日にメールにて以下の内容で事前連絡がありました。

  • 開催日時:2日間両日10:00-16:00
  • ZOOMの接続情報
  • Miroの使い方

参考:オンラインホワイトボードツール「miro」で業務効率化

上記情報だけではなく、参考記事も合わせてメールに記載されていました。
事前や研修後の復習などで確認してみると良いかと思います。

3.認定スクラムマスター研修当日

前日から研修直前まで、(研修問題なく受けられるかな…)とか(試験落ちたらどうしよう)など不安なことを考えてしまい、ドキドキが止まらず緊張しまくりでした。しかし、不安だけではなく楽しみでもありましたので気合いを入れていざ研修へ!

オンラインクラス
研修は、ZOOMでのオンライン形式での参加となります。カメラをオンで参加することが、認定条件に含まれているようです。私が受けた日程では、25名程度(海外から1名)の参加者がいました。

講師について
講師は、認定スクラムトレーナーのジョー・ジャスティスさんという方で、世界各国の大手グローバル企業や、教育機関でスクラムを指導してきた有名な方で、Wikispeedという自動車製造業の創業者でもあり、著書も多数執筆されています。
海外はもちろん日本でも幅広いメディアで取り上げられているそうです。非常に明るい方でハイテンションで出迎えてくれました。研修前は緊張しておりましたが、ジョーさんの人柄と笑顔が絶えない雰囲気づくりに緊張が吹き飛びました。
ジョーさんは基本的に英語ですが、時々簡単な日本語を話されていました。日本のクラスを日本語で全部教えるのが、将来の夢だと言っていました。ジョーさん以外にも、2人の日本語スタッフの方が共同トレーナーとしておられました。1人は通訳の方ですが、スクラムマスター・プロダクトオーナーの資格を持っているそうです。なのでジョーさんが話している内容を、ただ直訳するのではなく補足などを含めながら解説をしてくれていました。また、もう1人の方も解説するパートをジョーさんと連携を取りながら交互に対応してくれていました。通訳さんのレベルが非常に高いので、英語が苦手な方でも問題なく研修を受けられると思います。

4.認定スクラムマスターの認定資格試験

研修が完了し、無事卒業(GAME CLEAR)することができました。卒業式にて、認定までの流れを説明して頂きます。以下はその内容です。

  • 研修後数日以内に認定機関のスクラムアライアンスからメールが届きますので、アカウントを作成しテストの受験が可能となります。
  • メール到着から90日以内に受験をしなければなりません。
  • テストは制限時間60分で、50問の4択の選択式問題となります。
  • 言語は自由に選択できます。
  • 37問以上正解で合格となります。

認定スクラムマスター研修内容

研修で使用したツールや研修内容をエピソードを交えながらお話します。

スクラムマスターの役割と責任

研修内容の前に、スクラムマスターとはなんなのか、簡単ではありますが補足しておきます。
スクラムマスター(SM)の主な役割と責任は、以下となっています。

  • スクラムチームの活動を促進できるようにコーチする
  • チームが仕事に集中できるように障害を取り除く
  • プロダクトオーナー(PO)とチーム、およびチーム外のメンバーとの良好な関係を保つ
  • チームがより効果的に実行できる環境を設定します
  • スクラムチームと連携してスクラムプロセスを管理する
  • プロダクトオーナーをサポートする

参考文献:https://abi-agile.com/lp/csm/
→「スクラム基本知識」
→「認定スクラムマスター/Certified ScrumMaster ®︎」

研修内容

1.研修は、事前に運営よりMiroで作成されたボードを活用しながら実施されます。
ボード上には様々な教材や一部YouTubeの動画(※1)のリンクが用意されていました。教材については、英語と日本語で表記されていました。ボードには教材だけではなく、各研修毎のポイントが記載された付箋がプロダクトバックログアイテムとして用意されていたり、進捗確認としてバーンアップチャートも用意されていました。
※1:動画の内容は、アメリカの大型百貨店内にて1週間でiPadアプリを開発する動画やモブの現場などです。

2.研修初日に4人でチームが編成されます。
編成後、ZOOMのブレイクアウトルーム機能を使用し、各チームで簡単な自己紹介をします。
私がいたチームでご一緒になったのは、以下の方達でした。

  • 1人目は、SIer関連企業の室長をされている方。プロダクトオーナー的な立場で業務をされているそうです。
  • 2人目は、創業120年を超える某大手企業のグループ会社の方。システムの開発やプロジェクトリーダーをされているそうです。また最近は、ソフトウェア開発をスクラムマスターとして対応されているそうです。
  • 3人目は、ソフトウェア開発の会社でモバイルや車載の開発をされている方。ウォーターフォール開発がメインで、アジャイル/スクラムは未経験とのことでした。

オンラインでの参加でしたので、別チームの自己紹介の会話や様子を見ることはできませんでしたが、同じチームの方々との会話を通して、皆さんアジャイル/スクラムを高い意欲で学んでいらっしゃると感じました。また、研修を進めていくうえで体感的に、アジャイル/スクラムを既に導入や経験されている参加者が多いようにも感じました。ちなみに、日本国内での認定スクラムマスターの資格取得は、増加傾向にあるそうですが20年前からアジャイルの推進が始まっているアメリカは、日本の50倍だそうです。

3.自己紹介後、チーム毎にPO1人、SM1人を決め、それ以外の人を開発者(Developers)としてチームメンバーと合意しながら決めていきます。
上記役割は固定ではなく、研修1日目の午前と午後、研修2日目の午前と午後でローテーションしていきます。

4.研修自体は、ワークショップ形式となります。
講師よりスクラムの概要などの説明をして頂き、都度様々な課題が出されます。課題毎にチームでディスカッションを行い、解決していきます。課題全てが非常に面白く、ディスカッションも終始楽しく取り組むことができました。課題の中で私が特に印象に残っているのは、以下の2つです。

  • モブワーク体験

モブワーク(※2)をご存知の方は多いとは思いますが、私は初見でした。モブワークを活用し、課題に対しての作成物を作ります。ここでも、3つの役割(指示をするナビゲーター、指示に従い手を動かすドライバー、チェックしたりアドバイスするモブ)を決めます。
限られた時間で皆さんで意見を出し合い、それぞれの役割をローテーションしながら取り組んでいくのですが、私自身が初体験でしたので新鮮でモブをもっと経験していきたいと正直思いました。どのようにナビゲーターをすれば良いのか、説明の段階ではイメージが付かなかったです。しかし、チームの方々にアドバイスを頂いたり、ローテーションでしたので他の方の指示の出し方を見ることが出来ましたので大変勉強になり理解することができました。
※2:モブ(Mob)ワークとは、チーム全員が同じことを同時に、同じスペースで、同じコンピューターで作業する方法

  • プロダクト製作体験

研修の後半に各チームで何かしらのプロダクトを作成します。5つのスクラムイベント(リファインメント、スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、レトロスペクティブ)の流れを活用し、2Sprintで取り組みます。各イベントを4〜5分毎の短い時間で回していきます。この体験が面白いなと感じたのは、3つの役割を配置しておりますがチーム全員で以下の内容に取り組んだことです。
1つ目として、3つの作成物(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)を決めていくこと。
2つ目として、優先順位についてもチーム全員で決めていくこと。
それぞれの役割にて個々に決めて展開するのではなく、作成段階で全員と意見交換し作成するので価値の高いプロダクトを生み出せると感じました。そして何より、短い時間ではありましたが、プロダクトを作成できた大きな達成感を得られました。最後にそれぞれのチームのプロダクトの発表会があります。チーム毎に個性があり、様々なプロダクトを見せて頂き拍手と笑顔に溢れていました。

認定資格試験と試験結果

研修後の試験について、私が実施したことや参考資料などをお話します。

試験対策について

研修の中でも試験対策として、練習問題をチーム全員で取り組む時間があります。練習問題として出題されるのは、難しいとかやっかいな問題をピックアップして頂いてるようでした。試験対策として、以下の資料を確認することをおすすめされました。

上記資料から出題されると仰っていましたし、必ず確認するほうが良いです。テストについてはそこまで難しくはありませんし、研修(練習問題も含む)での学びや資料を確認されていれば合格はできると思います。ただ、日本語が分かりにくく問題と答えがどうしても紐づかず、数分悩んだ問題はいくつかありました。また、スクラムイベントで何かしらの問題が起きた場合、どのような行動をするかといった問題もでます。
私は以前にスクラムを経験していたので、どうやって解決したかを振り返り回答を導くことができました。スクラム/アジャイルの多少の経験や何かしらで勉強されていればより良いのですが、未経験の方は研修の振り返りや資料を読みイメージを付けた方が合格に繋がると思いました。

試験結果

私は、研修の数日後にテストを受験し92%正解で無事合格することができました。
(満点狙いを目標にしていたのですが、4問間違えてしまいました…….)
テストの結果はその場ですぐに分かりますし、証明書も発行されます。

研修を受けて気づいたこと

研修を受けて気づいたことがあります。

1つ目
スクラム/アジャイルを今後やっていくうえで、いきなり大きなことをやるのは非常に難しいと改めて思いました。何かしらのプロジェクトをスクラム/アジャイルでやってみたり、通常のやり方を交えながらハイブリットアジャイルでやってみたり、まずは小さなことから少しずつ始め、ノウハウを溜めていくことが必要だと考えます。また、そういった取組みを最初は少数で行い、徐々に経験者を増やし会社全体に浸透させていければと考えます。

2つ目
スクラムの経験はもちろん少ないですが、開発の目線・知識が自分にも必要だなと感じました。開発ができることが理想ではありますが、開発未経験から学習するにはハードルがあると思います。開発未経験者が一から開発技術を学び、実業務に活かすまでになるには相応の時間と意志が必要になると思います。ですが、キーワードだけでも情報や知識を多少なりとも持っていれば、チームで取り組むときにディスカッションの質やプロダクトの向上に繋がると思います。また、開発者に歩み寄ることで作業負担を軽減できたり、学びにも繋がると思っています。現在少しずつではありますが、開発に関連することを勉強中です。

最後に

研修の中でジョーさんは、「忘れないで!スクラムは、スピードとステークホルダーの幸福を追求するゲームで、シンプルなフレームワークです。2日間リラックスしてゲームを楽しんで下さい!」と言っていました。これを聞いて、受講前に持っていた「難しい研修」というイメージとのギャップに最初驚きましたが、研修2日間は本当に一瞬でした。研修前は不安と緊張がありましたが、ジョーさんを含めスタッフの方々の暖かいサポートと充実した研修で楽しいという気持ちでいっぱいでした。
また、ご一緒させて頂いたメンバーとディスカッションしながら一緒に学んだり作っていくことが本当に楽しかったです。チームメンバー以外の参加者の方々も、スタンプや画面越しに拍手したり場を全員で盛り上げるなど雰囲気が非常に良かったです。
スクラム/アジャイルを学びたい、認定スクラムマスターを取得したいという方は、是非この研修をリラックスしながら楽しみながら受けることをおすすめします。この経験を皆さんにも体験して頂き、スクラム/アジャイルの輪を広げ意見交換をしていけたらと思います。

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