私はアジャイルコーチとして様々な現場で改善活動を行っています。主に開発プロセスや組織体制の改善、スクラムマスターの育成がメインのお仕事ですが、ソフトウェア品質の改善要望も、お客様からよく伺っています。
テストを実施したり、CIサーバを使ってテストを自動実行したり、レビューを念入りに行なったり・・・。品質改善のための様々な活動によって、プロダクトの品質はどんどん改善されていくでしょう。改善はとても重要な活動ですが、活動だけではなく、その活動自体を持続的に行っていくための体制も重要です。
今回は、アジャイル開発において、品質やQAを高めていく組織づくりについてまとめていきます。これまで見てきた組織の形をパターン化し、それぞれの特徴を比較していきましょう。
ここではQA組織を例にあげていますが、QAだけでなく、開発、更に詳しく分けてフロントエンドやバックエンドなど、さまざまな職能も同じようにパターン化できると思います。ぜひ、ご自身の現場に当てはめてみてください。

また、この記事では以下の用語を使用しています。

  • 組織: 人間の集まったまとまりを指します。
  • 企業: 部門やチームが所属する会社です。
  • 部門: 職能ごとに分かれた組織を指します。
  • チーム: プロジェクトやプロダクトに直接関わる最小単位の組織です。

プロジェクト参加型パターン

プロジェクト参加型パターンは、SIや大企業に多く見られるパターンです。開発やQAといった職能ごとに部門としてわかれているのが特徴です。職能ごとに人が集まり、チームを作ります。プロジェクトだと期限があることが多いので、チームも期限とともに解散します。

メリットは、部門が職能ごとに分かれているので、それぞれで専門性を高められるため、人材を経営資源とする場合、経営効率に優れ最も無駄がない形と言えます。コラボレーションが苦手なので新しい価値創出は苦手ですが、すでに成果を出しているサービスやプロダクトの価値を、さらに高める場合に有効的な構造です。また、職能ごとで育成やノウハウ共有がしやすく、スキルや経験が似通ったメンバーが多いので、評価や採用がやりやすいでしょう。

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SQRIPTER

藤原 大(ふじはら だい)

スーパーアジャイルコーチ、株式会社せかい 代表取締役

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スーパーアジャイルコーチ、エンジニアリングマネージャ、『リーン開発の現場』の翻訳者のひとり。創造的、継続的、持続的なソフトウェア開発の実現に向けて奮闘中。週末に娘と息子とお昼寝しながら世界のビーチや離島を旅する夢を見る。

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