プロジェクトを成功させる制御系開発の進め方:学んだ教訓と対策

みなさんはじめまして、QAコンサルタントのぐっちです。

私はこれまで制御系エンジニアとして様々な案件に携わってきました。今回のブログでは、制御系開発とはどのような開発かというお話から自身が経験して学んだ開発での課題や対策を紹介したいと思います。

制御系開発とはどんなものか

制御系開発と組込み開発は、よく混合されますが、違う開発の種類になります。

制御系開発は具体的なモノを作るのではなく、モノを制御するという考え方がわかりやすいと思います。

車を自動的に目的地に運ぶための仕組みを作り出すシステム開発を制御系開発と考えることがイメージしやすいと考えます。運転手がいない自動車や、ロボットが物を掴む動作をする場合など、人が操作することなく、動作を制御するシステムを作るのがシステム開発の概要になります。

例えば、自動車に乗って高速道路を走っているとします。制御系開発では、自動車が速度を一定に保つように制御するシステムを作成します。もしその速度が目標値よりも速くなったら、ブレーキを軽くかけて速度を下げるよう指示し、目標値よりも遅くなったらアクセルを踏んで速度を上げるよう指示します。これにより、自動車は目標の速度をキープできるのです。

制御系開発は、自動車の他にも、洗濯機の水量調整、エアコンの温度調整、電車の自動運転など、さまざまな場面で活用されています。システムが一定の目標を達成するように「指示」を出す仕組みなので、効率的かつ安全な動作を実現することが可能です。

制御系開発は、私たちの生活の中で自動化や効率化を実現するために欠かせない技術なのです。

開発現場で苦労したこと

次に、実際の開発にて苦労したことを記載していきます。Web開発やアプリ開発とも重複する内容もありますが、主に苦労したことをピックアップして記載します。

ソフトウェアだけでなく、ハードウェアの知識も必要

制御系開発ではソフトウェアの知識だけでなく、ハードウェアの知識も必要になります。もちろん専門家ほどの知見は不要ですが、開発では、デバックボードを使用して、プログラムを流し込んでプログラムの動作確認を行います。

検証では、オシロスコープ※1やPLC※2などハードウェアを使用してプログラムを制御するテストを行ったりします。普段使い慣れていないものなので、最初使うときには慣れるまで時間がかかりました。

想定する仕様の複雑さ

制御系開発では、様々な条件で起動したり停止したりするため、複雑な仕様になりやすいです。細かな制御が必要であるため、数学的な計算式を使って制御を行う場合もあります。

そういった場合、なぜこの処理になっているのか、どの仕様でこのプログラムが動作しているか等を調べるのが困難な場合も多いです。

また、動作する環境は、自動車やセンサーのようなモノであるため、実際の動作を見ることは中々できません。エミュレータ等を使用し、仮想環境でプログラムを作成したりテストを行ったりします。そのため、使用するツール等の理解や習得も必要になります。

納期の厳しさ

納期についてはWeb開発やアプリ開発も同様になりますが、制御系開発ではモノ(ハードウェア)も含めて完成になります。今ではPCやスマートフォンは容易に準備できるものになるため、準備にそこまで時間が必要にはなりません。

しかし、自動車やセンサーなど動作環境を含めてリリースするとなると様々な準備が必要になります。よって、ソフトウェアの開発だけでなく、ハードウェアの準備や進捗にも気を配る必要があります。

課題に対する対策

上述した課題に対しての対策について以下に記載します。

ハードウェアの知識もしっかりつける

先述でも記載した通り、制御系開発では色々なハードウェアを使用して開発を行うことが多いのでソフトウェアの勉強だけを行っていれば解決できるものではありません。よって、各開発に使用するハードウェアの理解を深める必要があります。

そうすることにより、ハードウェアを含めた動作を意識することができるようになり、ソフトウェアだけでなくモノとして全体を含めた視点で開発に着手できるようになります。

そうすることによってソフトウェアの動作という観点だけでなく、システム全体を俯瞰して意識していなかったことに気付くようになります。

複雑なロジックを理解できる訓練をする

制御系開発だけでなくその他の開発でも同じことが言えますが、複雑な仕組みや仕様を理解するのは容易ではありません。私も最初は苦労をしましたが、なぜそのような計算式を使うのか、なぜそのタイミングで制御を行うのかという視点で物事を考えるとだんだんと理解できるようになり、仕様書に書かれている内容に対しても、問題があるところに指摘できるようになっていきました。その際に役に立ったのはロジカルシンキングという考え方です。ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法になります。今では書籍や研修など様々な訓練方法がありますので、興味がある方はぜひ勉強いただくことをお勧めします。

全体を見据えたスケジュール管理を意識する

先述も述べたように制御系開発ではソフトウェアだけなく、ハードウェアも含めた開発になります。よって、従来であればソフトウェアのリリーススケジュールを考慮しておけば問題ないですが、制御系開発ではハードウェアのリリースも含めたスケジュール管理が必要になります。その分、課題管理やリスク管理もハードウェアを含めた管理が必要になりますので意識してスケジュール管理を行うようにしてください。

まとめ

今回は制御系開発で気を付けるべき内容や対策について記載させていただきました。ここに書いてある内容については、他の様々な開発にも流用できる考え方だと思います。

現在はQAコンサルタントとして業務に携わっておりますが、制御系開発によって得た全体を俯瞰して開発を進めていく経験やロジカルシンキング思考を用いてプロジェクトの課題の解決することで、最終的な成果物の品質の向上に繋がっていることを身をもって実感しております。

今後もプロジェクトを成功に導けるように日々スキルアップを目指して業務を遂行していきたいと考えております。

APPENDIX:用語の説明

※1:オシロスコープ(Wikipedia)

オシロスコープ (英: oscilloscope) は、入力した信号の電圧の変化を時間の関数として視覚的に表示する電気計器。表示される波形から、振幅・周波数・立ち上がり時間(英語版)・時間間隔などの値を得ることができる。昔のオシロスコープでは、これらの値を得るには画面に組み込まれた目盛りを使って波形を手動で読み取って計算する必要があったが、現在のオシロスコープはこれらの値を自動で計算して表示する。

※2:PLC(Wikipedia)

プログラマブルロジックコントローラ(英: programmable logic controller、PLC)は、リレー回路の代替装置として開発された制御装置である。プログラマブルコントローラとも呼ばれ、一般的にシーケンサ(三菱電機の商品名であるが登録商標ではない)とも呼ばれる。

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