
こんにちは。Sqripts編集部のハチワレと申します。
かつてはフロントエンドやUI開発に携わり、テクニカルサポートも経験しましたが、現在の私の主戦場はマーケティング。「非エンジニア」を称しています。
今回は、非エンジニアの私がGoogle Cloudの認定資格、Generative AI Leader(生成AIリーダー)に挑戦した理由、学習方法から、合格の軌跡を記事にしました。
この認定資格は、公式サイトによると「実践的な技術経験の有無を問わず、あらゆる職務のすべての方を対象」としており、以下の分野の知識が評価されます。(Generative AI Leader)
- 生成AIの基礎
- Google Cloudの生成AIサービス
- 生成AIモデル出力を改善する手法
- 生成AIソリューションを成功に導くビジネス戦略
「なんとなく」生成AIを使っていませんか?
「生成AIは便利だ」と感じつつも、少し複雑なことをやろうとすると「プロンプトエンジニアリング」、「ハルシネーション」、「ML(マシンラーニング)」、「エージェント」…と専門用語が出てきて戸惑うこともしばしば。
「なぜこのAIモデルを選ぶのか?」という問いに、明確な根拠を持って答えられなかったり…。
そんな経験はないでしょうか?
私はあります。
業務ではGeminiやChatGPTを積極的に活用していますが、その技術的知識はほぼゼロ。
「生成AIに業務の相談をする」ことはできても、「なぜこのAIはこういう回答をするのか」は説明できない。
今回、そんな私でも約31時間の学習でGoogle Cloud認定資格「Generative AI Leader」に一発合格することができました。
この記事は、私と同じような課題を持つすべてのビジネスパーソンやエンジニアに向けた具体的な合格ガイドです。
この記事を読むと、どのような人にこの資格がおすすめかがわかるかと思います。
また、もし挑戦すると決めたなら、ぜひ学習方法も参考にしていただけると幸いです。
費用対効果は? 投下コストと得られたリターン
まず、資格取得にかかった全コストと、それによって得られたリターンを公開します。
【投下コスト】
- 学習時間:合計 約31時間
- (内訳)
- 公式講座の受講:12時間
- 対策ブログの読み込み:6時間
- 問題演習(自作問題含む):13時間
- (内訳)
- 費用:受験料($99)+問題集(300円)購入※後述
【得られたリターン】
- 生成AIに関する思考の解像度が劇的に向上した
- 根拠を持って説明できるようになった
- 次に何を学ぶべきかの指針が明確になった
- AI関連技術やGoogle Cloudの製品群に詳しくなった
最大のメリットだと感じたのは、知識が体系化され、「説明できる」レベルになったことです。
例えば「ハルシネーション」という言葉。学習前は「AIが嘘をつくこと」程度の認識でした。
しかし学習後は、「なぜ起きるのか」「どのような対策(グラウンディングなど)が有効か」まで含めて、自分の言葉で説明できるようになりました。
“知っている”と“説明できる”は、ビジネスの現場では天と地ほどの差があります。
この変化により、具体的なサービス名を挙げてAIの活用法を検討したり、技術的な裏付けを持って企画やプロジェクトの実現可能性を判断したりできるようになりました。
【完全再現】31時間で合格するための学習ロードマップ
私が実践した学習のポイントは、「アウトプットを徹底的に重視する」ことです。知識の詰め込みは早期に終えて、思い出し・使う練習に時間を割きました。
学習法は、科学的根拠に基づく最高の勉強法の記事を参考にしました。学習法に関する知識を習得することで、「じつは効果がない」学習を排除。効果の高い学習を徹底し、記憶の定着に努めました。
▼ 私が参考にした学習法は、こちらの記事で詳しく解説されています。
ステップ1:全体像の把握(インプット期 / 合計18時間)

- やること①: Google Cloud Skills Boostの公式トレーニングを1周する(目安:12時間)
- ポイント: ここでは完璧を目指さない。
- 「知らない単語をなくす」
- 「2周しなくていいように集中力をもって取り組む」
集中力が切れたらすぐに休憩する、その日はもう学習しない、などの決断も大事だと感じました。解説動画は英語なので(文字起こしの日本語テキストもありますが)、英語が苦手な私は集中力が切れることも多く、まとめてのインプットはせず細切れで学習しました。
この2点を意識し、まずは最後まで走り抜きましょう。全体像を早く掴むことが重要です。
- やること②:対策ブログを読み込み、戦略を練る(目安:6時間)
- ラリオス川口さんのnoteをはじめ、ブログなどで合格者が自身の学習法・試験対策を公開しています。それらを読み込み、試験の傾向、合格者が「重要ポイントだと感じている点」をインプットします。
ステップ2:知識の定着(アウトプット期 / 約13時間)
インプットを終えたら、アウトプットに移ります。ここが合否を分ける最も重要なフェーズです。
- やること①:公式の模擬試験を受ける
- Generative AI Leaderの模擬試験を受験します。模擬試験は何度でも挑戦できますが、正解を覚えてしまうので、ここでは「問題の傾向をつかむ」、「翻訳日本語に慣れる」を目標にします。
※試験自体は日本語版として2025年7月に正式リリースされており、日本語で受験ができます。しかし、問題文は「英語を元にした日本語だな…」と感じる部分も多く(1文が長いなど)、集中して読み込まないと問題の意図もわからないことがありました。
- Generative AI Leaderの模擬試験を受験します。模擬試験は何度でも挑戦できますが、正解を覚えてしまうので、ここでは「問題の傾向をつかむ」、「翻訳日本語に慣れる」を目標にします。
- やること②:演習問題でアウトプットを繰り返す
- [ポイント!] 最も効果的だと感じたのが、学習ガイド(PDF)にも載っている「NotebookLMを使った学習」です。私は今回の学習にあたり、NotebookLMを活用して自作問題集を生成して演習しました。
- NotebookLMに、ソースとして公式講座のテキスト(学習ガイド)と試験ガイドをアップロードし、参考にしたブログなどもソースに追加します。
- ソースの準備ができたら以下のようなプロンプトを入力します。
▼プロンプト例ソースから試験対策の50問の模擬テストを作成してください。出題形式は4択問題です。正解と各解説も作成してください。試験ガイドを参考に、各分野の出題割合を調整してください
- 模擬テストは何度でも生成が可能ですし、プロンプトを工夫し苦手分野だけの問題を作ってもらうこともできます。また、1問1答でひたすら演習ノックのようなこともしました。
- 試験直前にラリオス川口さんのnoteにあった想定問題集「10.Generative AI Leader 試験完全攻略!本番想定問題集 100 本ノック!」にも取り組みました。(当時価格300円)
- (私は時間がなく取り組みませんでしたが、Udemyの講座を受ける方も多いようです。)
- [ポイント!] 最も効果的だと感じたのが、学習ガイド(PDF)にも載っている「NotebookLMを使った学習」です。私は今回の学習にあたり、NotebookLMを活用して自作問題集を生成して演習しました。
- やること③:「弱点克服ノート」を作成する
- 演習で間違えた問題や、曖昧な用語はすべてGoogle Documentにまとめました。Google Documentなら、PCでもスマートフォンでも復習ができるため、電車移動の時などもこの自作ノートを眺めていました。このノートは試験直前まで見返しており、最強の武器になりました。

ステップ3:自分を追い込む
- やること: 学習がある程度進んだ段階で、先に試験の予約を入れます。
- ポイント: 「〇月〇日に受験する」という明確なゴールを設定することで、学習の質と集中力は劇的に向上します。(緊張感や焦燥感も増します…)
試験本番:当日の流れと合否を分けた「55分の見直し」
試験当日は、10数年ぶりの資格試験ということもあり、とても緊張しました。
また、Google Cloud認定資格試験の受験は初めてでしたので、受験システムにも不慣れで、そのことでの緊張もありました。
- 試験形式: 90分 / 45問
(公式では50問~60問となっていますが私が受験したものは45問でした)
※すべて4択問題。
※私はオンサイト監督試験(テストセンターでの受験)を選択。
※試験概要はアップデートされることがあります。公式サイトをご確認ください。 - 試験本番:
- まず開始から約35分で、全45問を一通り解き終えました。
わからない問題、自信がない問題は「見直し」マークをつけてどんどん進みます。全容把握が先決です。 - 一巡した段階で、自信がなく「見直し」マークを付けた問題が13問(約29%)。正直、「ダメかもしれない…」と思いました。
※公式では合格ラインは公表されていませんが、正解率80%を目指していました。 - 諦めるのはまだ早い!ここからが本番です。
残った55分をすべて見直しに充てました。まずはマークを付けた13問について問題文と選択肢を何度も読み返し、知識・記憶を総動員して解答の精度を上げていきます。 - 最終的に、自信のない問題は9問(20%)まで減少。
まったくわからない「あてずっぽう」が2問、「正解の可能性が高い」と思えるものが7問です。
「これ以上考えても結果が変わらない」と思えるところまで取り組んだら見切りをつけます。 - 残り7分ぐらいの段階で、マークしていない「自信のある問題」のケアレスミスがないか見直し。時間ギリギリまで粘りました。
- まず開始から約35分で、全45問を一通り解き終えました。
ドキドキしながら回答を送信して試験が終了です。
運命の結果は…
試験終了直後にPC画面に「合格」の文字…。
静かな会場で、心の中でガッツポーズしました…
この経験から言えるのは、試験は時間配分と、最後まで諦めない姿勢が合否を分けるということです。
試験が始まる前までは「90分も必要?早めに退室してもいいかな」と根拠のない余裕を持っていましたが、現実はそんなに甘くはありませんでした。時間があれば、もう一巡、見直したいぐらいでした。
3日後には合格の通知も届き、正式に資格取得者として登録されました。

まとめ:「なんとなく知っている」から「根拠を持って説明できる」へ
この記事のポイントをまとめます。
- 資格の価値: 「なんとなく知っている」から「根拠を持って説明できる」へ。思考の解像度が上がる。
- 学習時間: 約31時間。忙しい人でも十分に挑戦可能。
- 学習戦略: アウトプットを重視。特に「NotebookLMでの自作問題」と「弱点克服ノート」が効果的。
- 合格の秘訣: 先に試験日を決めて自分を追い込む。本番では最後まで見直しを徹底する。諦めない。
- 回答のポイント:さまざまな業種・チームにおける生成AI活用について、「私がこのチームの一員ならどうするか」、「この立場ならどう行動するべきか(役職者・開発者など)」、「多種多様なモデルから、このケースだとどのモデルが最適か」を考えることが大切です。模擬試験などもそういった形式の問題が多数出題されていますので、自分をプロジェクトの一員として考える癖をつけておくとよいです。
もし、この記事を読んでくださったあなたが、キャリアや自己研鑽のために何か新しいスキルを身につけたい、生成AIの知識を体系的に学びたいと考えているなら、この資格は費用対効果が高い、優れた自己投資と言えそうです。
「苦手な分野の学習こそ、資格取得という明確な目標が大きな助けになる」。
これは、私が今回の挑戦で実感したことです。
この記事が、どなたかの新たな一歩を後押しできれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。