みなさん、こんにちは! QAエンジニアのゆーすけです。

9/22にJaSST新潟が開催されました。(JaSST

新潟でのハイブリット開催(オフライン+オンライン)のため、当初は業務の傍らオンライン視聴ができればと思ってましたが、掲げたテーマに強い興味を抱いたため、業務を調整して新潟現地参加をしてきました。

「QAスキルアセスメントを活用したQA標準化とQA人材育成」

今回の新潟のテーマがこちらになります。

アセスメントとはざっくりいうと評価、分析といった類の意味合いとなります。

ひと昔前のAGESTでは、各役割(職務ないし職能)に対しての定義が

「求められる役割を満たすこと」

というような記載もあり、役割に対しての解釈が個人で異なる、また会社として標準スキルの定義が曖昧な部分もあったため、目指すべきキャリアに対しての研鑽すべきスキル提示ができてないものもありました。

順次job description(以下JD)を整理しているものの、役割に対して求められるスキルや、スキルに対する待遇というものはそれぞれの組織で大きく異なっていて、ここに明確な解はありません。

現在、役割に応じたジョブ定義、持っていてほしいスキル、資格などを鋭意設計中ですが、なかなか自分の所属組織外の情報を聞けるという機会も中々に稀だと思い、せっかく聞くのであれば現地で生の声を聞こうと思い、新潟に足を運ばせるきっかけとなりました!

基調講演として、Sqriptsスクリプターである湯本氏によるfreee社での取り組みを語っていただいております。

講演内容レポートに関して、情報の誤認識、拡大解釈、認識のバイアスなどがあるとfreee社にご迷惑をおかけしてしまうことになりそうなので、印象に残った箇所の抜粋とそれに対する自分の考えやAGESTの方向性を取り上げていきたいと思います。

分化の違いを理解したうえで、自己の分化を確立する

QAの経験があるといっても、組織が違えば根本的な部分での分化の違いはある

採用とあわせて、自社としてのQAを確立する必要性があった

こちらはまさにその通りすぎる、と思いました。

自分も採用面接に携わることがありますが、これはクライアント様とMTGする時も思うことがあります。

分化が違えば同じ用語を使っていても中身の意味が全く違う、というようなことは多々あるので、

「コミュニケーションを重ねる」

「異文化である、ということを大前提で考える」

「自分の中の指標・ものさしをしっかりと固める必要がある」

といったようなことが大事である、と改めて感じるお言葉でした。

教えるもの、教えないものを切り分ける

QA人材の育成で必要なことは、何を教えるのか、どこまで教えればいいのかを明らかにすること

オンボーディングで行う内容と、OJTで行う内容を明確に分かる

これはなるほどな、と。

AGESTでも入社後のオンボーディングを1~1.5ヵ月で行っていますが、オンボーディングを実際に受けていないメンバーは実際のオンボーディングで明確に何をどの粒度まで教えているか、ということまでは切り分けられてないな、と。

基本的には現場で必要そうな内容をオンボーディングに入れ込んでいますが、あえてオンボーディングでは扱わずOJTに任せる(その代わり必ずOJTで扱うようメンバー理解が必要)ということは効果的になるものもあるな、と強く感じた内容でした。

スキルラダーのロール定義

スキルラダーのロール定義

スキルラダーに関しては自分も初聞きの単語でした。

ラダーは梯子を意味しておりスキルラダーとするとスキルの専門性をあげていくための指標。

キャリアマップ/パス、JDとは異なり昇進、報酬とは関連しない純粋なスキルマップのようなものとなり、今の自分のスキル位置を計れるようなもの、という理解をしています。

ジュニア層の定義は各分野の初歩は全てできるべき、ミドル層からは役割に特化して専門的にスキルアップできるように

この内容に関しては、AGESTでも同じような考えをしています。

なぜならAGEST QA部門で考えているJDでも、ジュニア層は全ての初級を理解し、その上で専門性のあるテストエンジニア、テストマネージャー、テクニカルテストエンジニアなどに分かれるように設計しているので、新たな観点を得られたということはありませんが、それ以上に大きな安心感を得られた、という思いになりました。

スキルラダーの評価軸:自立性

freee社の自立性評価として、「サポートありき」「サポートが必要だから基本はできる」「サポート不要」「人のサポートができる」としている、とのことでした。

ここもある似ている考えをしており安心感を覚えた内容ですが、個人的にはtest.sffや守破離の考え方にもある「改善、改良、新規プロセスを生み出すことができる」といったものも上位評価として置きたいと考えています。

アウトプットを標準化すると人の流動化が容易になる

これは自社プロダクトが複数ある前提特有かな、という思いが強い内容でした。

自社内に複数プロダクトがあり、QAのアウトプットをプロダクト横断で標準化することでプロダクト移動をしても覚えなおしがなく一定上の効果が見込まれる、という内容という理解をしていますが、第三者会社ではアウトプットの内容は顧客側に依存することがあります。(そもそもテストに対するインプットデータが絶対的に標準化されない)

第三者検証会社でも自社フォーマットで運用して構わないものは標準化を行っていますが、顧客に向き合い、顧客ごとの体制/要望に寄り添い臨機応援に対応、カスタマイズしてて成果を出す、というのが第三者検証会社ならではの面白味なのかもしれない、とあらためて感じました。

評価とカルチャー

ほか心に残った内容としては

人事評価はスキルラダーでは行わず、アウトカムで行う

スキルラダーは採用には活用しない。採用はカルチャーフィットが重要

というのが評価、採用にも携わる立場としては今後も意識して考えるべき内容だな、と思っています。

今回一部お見せいただいたスキルラダーは提示することで、スキルの客観的向上の可視化=評価、待遇直結といったようなことも起こりやすいのかな、と思いますが、

成果により会社貢献

↑ 成果を出すためのプロセス、ジョブ定義

  ↑ プロセスを達成するためのスキル

    ↑ スキルを習熟するための研修、オンボーディング、および各種資格奨励

のようなことが基本である、と。

また、採用においてもスキルや経験の確認を重要視していた時代(十数年前)も確かに自分にもありましたので、この2つは自分の襟を正すきっかけになったのではないかな、と思っております。

まとめ

今回スキルラダーや、freee社で使用されているテストチャータ等、具体的なものも見せていただきましたが、実際に何を考え何を構築するかは所属組織次第だと思っています。

freee社の事例はあくまでfreee社にあった内容であり、湯本氏も講演資料冒頭で

「組織作りの参考にしてね!」

と記載しているので、大事なのは事例を100%受け止めるのではなく、

スキルアセスメントや標準化などを考えることがカルチャー形成になり、

カルチャーが定まることによって方針、方向性がより強固なものになり、

それが自社ブランドになっていく、

ということが、今回のカンファレンス参加で持ち帰った内容になります。

この自分の考えもあくまで自社カルチャーにあわせた考え方も多いと思いますので、

皆様も組織作りや組織の中での動き方の参考にしていただければと思います。

またもしAGESTのカルチャーに興味を湧くようなことがありましたら、気軽にお問い合わせをしていただければと!!

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