ソフトウェア開発の世界では、アジャイル開発やスクラムが一般的になってきました。そのアジャイル開発のコアとも言えるのが、対話や協調です。この連載では、アジャイル開発におけるコミュニケーション・コラボレーションスキルを解説しながら、ファシリテーションスキルのレベルアップを目指します。
今回のテーマは「ファシリテーション」です。いよいよ具体的な方法の解説に入っていきます。
前回のおさらい
前回は「スクラムマスターが絶対に言わないこと」から、コミュニケーションのポイントをざっくり解説しました。今回からは、より具体的な方法を解説していきます。まずは、場を整えてゴールへと導くために利用できる「ファシリテーション」を解説していきます。
ファシリテーションとはなにか?
ファシリテーションとは、チームの能力を高める技術です。最近だと予想できない世界情勢の中で、多様な人達が集まり活動するのが当たり前になってきました。こういったさまざまな「違い」や「変化」がある中で、適切に対立し、オープンかつ建設的に話し合い、物事を進めるためのファシリテーションスキルの重要性は高まっています。
ファシリテーションを行う人をファシリテーターと呼びます。ファシリテーターを理解するために、その特徴を以下にまとめてみましょう。
- ファシリテーターは、中立である
- ファシリテーターは、チームをゴールに導く支援を行う
- ファシリテーターは、成果を高めるためによりよいコミュニケーションの場を作る
これらを眺めてみると、スクラムチームで行うスクラムイベント(計画づくりやふりかえりなどのMTG)で求められる司会進行に通ずるものがあります。スクラムはコミュニケーション主体のフレームワークなので、ここで紹介するファシリテーションといったコミュニケーションスキルとの親和性が高いはずです。
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