ソフトウェア開発の世界では、アジャイル開発やスクラムが一般的になってきました。そのアジャイル開発のコアとも言えるのが、対話や協調です。この連載では、アジャイル開発におけるコミュニケーション・コラボレーションスキルを解説しながら、ファシリテーションスキルのレベルアップを目指します。
今回のテーマは、1on1においてコミュニケーション方法を使い分けるために「さまざまなコミュニケーション方法」を学びます。
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・あなたの提案はなぜ受け入れられないのか?|ファシリテーション技術-1-
・よりよい場を作るための9つのルール[前編]|ファシリテーション技術 -2-
・よりよい場を作るための9つのルール[後編]|ファシリテーション技術 -3-
・コーチング技術 〜 基本技術を学ぼう|コーチング技術 -1-
・コーチング技術 〜 質問力を高めよう|コーチング技術 -2-
・上級者が活用する質問例|コーチング技術 -3-
・実践1on1[1] 〜 簡単だけど難しい1on1
・実践1on1[2] 〜 コミュニケーションの方法を使い分けよう!
・実践1on1[3] 〜 相手に合わせたコミュニケーション方法とは?
さまざまなコミュニケーション方法
我々にとってコミュニケーションは、とても当たり前に使う方法です。仕事に限らず、家族がいれば家族と、お店に出かければお店のスタッフと、なんらかのコミュニケーションを取っているからです。
では、自分の使っているコミュニケーション方法について、どう使い分けると良いか? じっくり考えたことはありますでしょうか?
当たり前な方法だと、慣れてしまっていてあまり意識することもなく、そう言われるとなかなか答えに迷ってしまうかもしれません。しかし、みなさんが仕事でコミュニケーションを使っているなら、いくつかの方法を使ったことがあるはずです。代表的なコミュニケーション方法には以下があります。
- コンサルティング
- ティーチング(トレーニング・メンタリング)
- カウンセリング
- ファシリテーション
- コーチング
- 1on1
早速それぞれの方法を見ていきましょう。
コンサルティング
コンサルティングは、企業などの課題を洗い出し、解決策を助言する方法です。お客さまは現在進行系で困っており、コンサルタントに具体的なアドバイスを求めます。「具体的」というのは、成功率の高いアクションプランです。
たとえば、クライアントが「プレゼンテーションがうまくできない」という課題を持っていれば、コンサルタントであるあなたは「相手の目を見て堂々と話してください。そして・・」と具体的で、成功確率の高い方法を伝授するでしょう。
ティーチング
ティーチングとは、知識やスキルを教える方法です。先輩から教えてもらったり(メンタリング)、外部の講習を受けたり(トレーニング)、著名な人の本を読んだり動画を見たり(ラーニング)、さまざまな形で学んでいるのではないでしょうか?
たとえば、クライアントが「プレゼンテーションがうまくできない」という課題を持っていれば、ティーチャーやトレーナーは「まずこうします。そして次にこうして・・・」と手本を見せてくれたり、実際に繰り返し練習させてくれるでしょう。
カウンセリング
カウンセリングとは、専門的なスキルを持ったカウンセラーとの対話によって、相談者が抱える悩みや不安の解決を支援する方法です。カウンセリングはコーチングの元になったという説もあり、カウンセラーは相手の話をじっくり聞くので、過去に向かって掘り下げていくスキルとも言えます。
カウンセリングは、「心理カウンセリング」など、医療に近い場所にある方法と言えるため、専門外の人が手を出すと相手の生命に関わる危険性が伴うため注意が必要です。よって、国際コーチング連盟(ICF)のコアコンピテンシーにも「必要に応じて、クライアントに他の支援的職業の専門家を紹介している」という項目があります。自分にできないことを支援してしまう危険性をさけるための項目です。
たとえば、クライアントが「プレゼンテーションがうまくできない」という課題を持っていれば、カウンセラーは「お困りごとを伺いましょう」と相手の話をよく聞いてくれるはずです。
ファシリテーション
ファシリテーションは、会議を効率よく、さらにその成果も高くなるように進行する方法です。議論が必要なら参加者を巻き込みながら思考を広げてもらい、結論が必要なら散らかった論点を整理しながらゴールへと導いていきます。
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